2012年11月21日水曜日

Samuel Merritt University(SMU) 訪問報告

2012年11月5日(月)から9日(金)に,米国サンフランシスコ(バークレー)にあるSamuel Merritt University(SMU)を訪問してきました。目的は,本学と同様の学部と学科を備えるSMUとの交流を図るための視察です。

SMUには,医学部,看護学部,理学療法学部,作業療法学部,足病学があり,私は理学療法学部を中心に視察をしてきました。理学療法学部は,1990年に修士入学レベルで開設され,2002年からは博士入学レベルとなっています。入学生は,学士(Bachelor)以上の学位(分野は問わない)を有し,博士課程での理学療法士の養成(Doctoral degree in Phyisical Therepy;DPT)が行われます。これは,米国理学療法士協会(APTA)が理学療法士の教育を博士レベルと定めたことによります。教育課程は,3年制の3セメスター制(春・夏休みなし)で,カリキュラムは臨床中心の理学療法専門科目に特化しています。

教育内容で感心したことは,1つはcomputer-based learningです。学生はタブレットやPCを持って授業に参加し,それにテキストや事前配布の講義資料がインストールされ,授業の事前・事後学習が積極的に行われているようでした。またクイズ(小テスト),レポートの提出と添削等もcomputer-basedで行われます。近い将来,本学でもこのようなcomputer-based learningのシステムが取り入れられるだろうと思いました。もう一つは,模擬患者によるシミュレーション学習を通して,臨床推論の思考が展開されていることでした。私が見学した日には,actor patients(役者が患者役を演じる)によるシミュレーション学習が行われていましたが,なぜそのような問診,検査,治療を選択したのか?臨床推論過程を的確に口述するよう学生は求められ,ビデオ撮影の結果がフィードバックされていました。3つ目は,各セメスターに臨床見学と実習が配置され,臨床を重視したカリキュラムなっていることです。学内には,専属の臨床コーディネーターがいて,臨床施設との連携が図られていました。実習地であるAlta Bates Summit Medical Center を訪問しましたが,臨床指導者の教育指導に対する認識が高いという印象でした。またこれら学ぶことも多い一方で,本学の教育内容や研究レベル,教育に対する教員の情熱は決して,SMUに引けを取らないとも感じました。

今後の交流については,教員間交流(教育や研究),学部生の学生間交流・臨床経験,大学院生の研究・臨床交流などを推進する予定です。SMU等への留学を検討していただきたいと思います。
大城 昌平
SMUのPT教員と一緒に

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