「運動が認知機能低下を予防するメカニズムの探索 -有酸素運動が血中ノルアドレナリンと脳由来神経栄養因子に及ぼす影響の検討-」
合田明生,福田寛二,上田昌美,本田憲胤,大城昌平
理学療法学 第40巻第2号 102~103頁 (2013年)
この報告書は,日本理学療法士協会の平成23年度研究助成を頂いて実施した研究の結果をまとめたものになります。運動による認知症の予防効果には,脳由来神経栄養因子という物質が関与すると考えられています。この研究では,運動による脳由来神経栄養因子の血中濃度の増加と,交感神経活動の亢進の関係を,健常成人男性で検討しました。その結果,健常成人男性において,30分間の有酸素運動は血中の脳由来神経栄養因子を有意に増加させず,運動による脳由来神経栄養因子の変化には交感神経活動は関連しないことが示唆されました。この結果には,日本人の持つ遺伝子多型の影響などが考えられ,更なる検討が必要であると考えられました。
この研究の測定に際して,ゼミの先輩である本田憲胤先生をはじめ,近畿大学医学部附属病院の福田寛二先生,上田昌美先生,病院スタッフの皆様に大変お世話になりました。また大城昌平教授には,解析・執筆作業時に多大な御指導を頂きました。そして侵襲を伴う研究であるにもかかわらず,多くの被験者の皆様が快く参加して下さいました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
現在行っている博士研究でも,引き続き「運動による認知症予防」をテーマに研究を行っています。自分の研究成果によって,少しでも社会に貢献出来るよう今後も精進してまいります。
D2 合田 明生
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