2012年11月26日月曜日

修了生の今 (田中先生,ご結婚おめでとうございます)

田中俊輔先生,映里さん,ご結婚おめでとうございます。お二人の新しい門出を祝福いたします。

この度,修了生の田中俊輔先生(菊川市立総合病院)がご結婚されました。心よりお祝い申し上げます。お二人が幸多き人生を歩まれ,お幸せで温かな家庭を築かれることを願っています。ご家庭をベースとして公私ともに充実し,さらに理学療法(学)の道に励まれることを期待しています。

結婚式の写真です。目を見張るほど美しい奥様です。披露宴は田中先生らしく,おもてなしの心のこもった感動的な式でした。
大城 昌平



2012年11月24日土曜日

第1回日韓合同カンファレンス 参加報告

11月17-18日に長崎県で開催された第1回日韓合同カンファレンスで発表を行いました。日本理学療法士協会と韓国理学療法士協会による初の合同学会であり,日韓両国から多数の理学療法士が参加していました。臨床家,教員,学生,協会役員など,様々な立場にある参加者がそれぞれの視点から行った研究結果を発表し,会場中で熱いディスカッションが交わされていました。当研究室からは2名が参加し,以下の内容でポスター発表を行いました。

佐藤慎(D1):Falls following during the early post-hospitalization period and its risk assessments before hospital discharge.
昨年の東海北陸理学療法学術大会で発表した内容の第2報という形でまとめたものです。回復期病棟退院後早期の転倒発生には注意配分能力(二重課題)が関係しており,今後の理学療法プログラムに二重課題トレーニングを取り入れる必要性が示唆されたというものです。他の演題も転倒予防に関する報告が多数あり,実りのある機会となりました。

合田明生(D1):Skin blood flow influences cerebral blood flow measured by Near-Infrared Spectroscopy during physical exercise in humans.
近赤外線分光法という手法を用いて運動中の脳血流を測定した際に,測定データに皮膚血流の影響がどの程度あるのかを検討した研究です。本研究の結果,運動中の脳血流測定データには強く皮膚血流が影響しており,何らかの解析で皮膚血流の影響を除去する必要があることが示唆されました。理学療法士が用いる運動介入が脳にどのような影響を与えるのかを検討していくために,今後も研究を継続していく必要があると思いました。

今回の学会で頂いた質問・意見,新たな出会いを大切にし,今後の研究活動に繋げていきたいと思います。最後に,ご指導を頂いた大城先生,日頃支えて下さっている職場の皆様に感謝いたします。

D1 佐藤慎,D1 合田明生
左:合田,右:佐藤

2012年11月21日水曜日

Samuel Merritt University(SMU) 訪問報告

2012年11月5日(月)から9日(金)に,米国サンフランシスコ(バークレー)にあるSamuel Merritt University(SMU)を訪問してきました。目的は,本学と同様の学部と学科を備えるSMUとの交流を図るための視察です。

SMUには,医学部,看護学部,理学療法学部,作業療法学部,足病学があり,私は理学療法学部を中心に視察をしてきました。理学療法学部は,1990年に修士入学レベルで開設され,2002年からは博士入学レベルとなっています。入学生は,学士(Bachelor)以上の学位(分野は問わない)を有し,博士課程での理学療法士の養成(Doctoral degree in Phyisical Therepy;DPT)が行われます。これは,米国理学療法士協会(APTA)が理学療法士の教育を博士レベルと定めたことによります。教育課程は,3年制の3セメスター制(春・夏休みなし)で,カリキュラムは臨床中心の理学療法専門科目に特化しています。

教育内容で感心したことは,1つはcomputer-based learningです。学生はタブレットやPCを持って授業に参加し,それにテキストや事前配布の講義資料がインストールされ,授業の事前・事後学習が積極的に行われているようでした。またクイズ(小テスト),レポートの提出と添削等もcomputer-basedで行われます。近い将来,本学でもこのようなcomputer-based learningのシステムが取り入れられるだろうと思いました。もう一つは,模擬患者によるシミュレーション学習を通して,臨床推論の思考が展開されていることでした。私が見学した日には,actor patients(役者が患者役を演じる)によるシミュレーション学習が行われていましたが,なぜそのような問診,検査,治療を選択したのか?臨床推論過程を的確に口述するよう学生は求められ,ビデオ撮影の結果がフィードバックされていました。3つ目は,各セメスターに臨床見学と実習が配置され,臨床を重視したカリキュラムなっていることです。学内には,専属の臨床コーディネーターがいて,臨床施設との連携が図られていました。実習地であるAlta Bates Summit Medical Center を訪問しましたが,臨床指導者の教育指導に対する認識が高いという印象でした。またこれら学ぶことも多い一方で,本学の教育内容や研究レベル,教育に対する教員の情熱は決して,SMUに引けを取らないとも感じました。

今後の交流については,教員間交流(教育や研究),学部生の学生間交流・臨床経験,大学院生の研究・臨床交流などを推進する予定です。SMU等への留学を検討していただきたいと思います。
大城 昌平
SMUのPT教員と一緒に

2012年11月17日土曜日

第28回東海北陸理学療法学会 参加報告

11月10-11日に三重県四日市市で開催された第28回東海北陸理学療法学会 in Mieで発表を行いました。東海北陸地域の理学療法士が一堂に会し,日頃の研究や臨床の成果を発表し合い,大変盛況な大会となりました。

私は,「ヒトの中強度有酸素運動による脳由来神経因子の反応に関する研究」というテーマで発表しました。この研究では,脳の可塑性を促進し認知症の予防に寄与するとされる脳由来神経栄養因子の運動時の分泌反応を、健常男性を対象に調査しました。結果から,日本人の反応は欧米人のものとは異なる可能性が示唆され,運動強度や期間を変えた更なる検討が必要であることが示されました。発表後には質問や貴重なコメントも頂き,有意義な経験となりました。

この結果を発展させ,認知機能に対する運動介入のエビデンス構築に寄与できるよう,引き続き研究活動を継続していきます。

最後になりますが,研究指導を頂いた大城昌平先生,データ測定にご協力頂いた本田憲胤先生,支援して頂いた職場の皆さまに感謝申し上げます。

D1 合田 明生
第28回東海北陸理学療法学会 (右:合田)

2012年11月15日木曜日

中国重慶市小児学会設立大会 出席報告

10月25-27日,日中関係が緊張するなか,中国重慶市小児学会設立大会に招聘され出席してきました。民間での交流を通じて,日中関係の改善が図られることを希望しての訪問でした。

重慶では,史教授(大坪病院小児科教授)はじめ皆様の温かな歓迎とおもてなしを受け,感動とともに大変有意義な訪問となりました。大会では,「Developmentally supportive care on the outcome for preterm-born infants」と題した講演を行いました(以下にアブストラクトを示します)。

日中の相互理解が進み,学術や医療面での相互交流が発展することを期待します。また,今回ご同行いただきました本学 顧寿智教授に深く感謝申し上げます。

大城 昌平

Lecture Abstract: Today, more than 95% infants born before 28 weeks gestation, and under 1250 grams, survive. Infants born at 24 weeks have a survival chance of about 50% in modern tertiary care centers. Preterm-born infants experience a range of adverse physical, behavioral, and mental health problems. Previously it was believed that in the absence of major complications (large intraventricular hemorrhages, significant chronic lung disease, severe intrauterine growth restriction; necrotizing enterocolitis) over time these children would 'catch up'. Recent research suggests however that as preterm-born infants mature they remain and often become increasingly disadvantaged on many measures of neuro-cognitive function and processing. It is becoming increasingly clear that it is not enough to assure the survival of preterm born infants. The quality of life is a key responsibility of the professionals working in newborn intensive care nurseries. Care for preterm-born infants that goes beyond the assurance of survival and takes seriously the assurance of optimal outcome in the long term, requires thorough knowledge and understanding of the immature infant’s neurological and neurobehavioral development. This presentation provides a framework for the delivery of care from a neuro-developmental perspective, and the effects of individualized developmentally supportive care on the outcome for children born preterm.



2012年11月6日火曜日

生活生命支援医療福祉工学系学会連合大会2012 参加報告

11月2-4日に名古屋で開催された「生活生命支援医療福祉工学系学会連合大会2012」で発表を行いました。

この学会は,医療工学や福祉工学といった工学分野での内容が主となる学会でした。例えば,腸ファイバーや人工血管などの開発に関わるセッション,ロボットスーツHALなどのロボット工学分野,血流測定器などの生体流体工学分野など.実に多彩な内容でした。参加者も多くは工学者や工学系院生,機器メーカーのスタッフなどでした。

私のセッションは,「医療・福祉・保健の現場で役立つリスクアセスメントとニーズ」というテーマで,役割は現場の状況を聴衆に伝えることでした。よって,発表テーマは「当院回復期リハビリテーション病棟における,転倒状況と身体活動について」とし,病院でのデータを用いて転倒の現状,リスクアセスメントとニーズについて報告を行いました。いくつかの質問もいただけましたので,充実した発表になったと思っています。

様々な転倒予防機器が開発されているにも関わらず,病院内では思ったより多くの転倒が発生していることから,今後も新たな機器の開発が望まれることも伝えさせていただきました.同じセッションにはテルモの方,障害者(筋ジス)の方などの発表があり,バラエティーに富んだセッションとなりました。

今回の発表にあたり,病院の転倒や発生原因をもう一度見直す良い機会となりました。また,他職種の方々との交流により,いろいろな考えかたも知るきっかけとなりました。このような機会を与えて下さった大城先生,本当にありがとうございました。

修了生 JA静岡厚生連遠州病院 山下裕太郎

セッションOS2-5 「 医療・福祉・保健の現場で役立つリスクアセスメントとニーズ」
座長の山下和彦先生と発表者

会場の前で