2012年5月27日日曜日

第47回日本理学療法学術大会 参加報告

5月26日(金)~27日(日)に神戸で開催された第47回日本理学療法学術大会において,本研究室から3演題の発表を行いました。

「視覚情報の与え方の違いによる持ち上げ動作時の脳活動と体幹筋の活動に関する研究」
田中 俊輔,大城 昌平,横山 和彦,宮下 大典,栗田 貴史

「 睡眠時の体動と嚥下の関係性について」
山下 浩史,佐藤 慎,徳増 来斗,兼子 光治,鈴木 祐介,一之瀬 大資,大城 昌平

「NICU入院児の無気肺の改善に有効であった呼気圧迫法
 ―2症例の経験から―
本田 憲胤,大城 昌平,中野 美紀,阿部 薫,和田 紀久,福田 寛二

それでは,発表者の参加報告をお届けします。


[学会参加報告]
ポスター発表(田中)
5月25日~27日の3日間,第47回日本理学療法学術大会に参加し,「視覚情報の与え方の違いによる手指持ち上げ動作時の脳活動と体幹筋活動に関する研究」という演題でポスター発表をさせていただきました。その中のディスカッションでは,同じ分野を研究されている先生方から多くのアドバイスをいただくことができ,自分の中で反省点や今後の展望が明らかになりました。 
学会最終日の総括シンポジウムでは,専門職(プロフェッション)として努力と研鑽を重ね,日本におけるリハビリテーションの職域を確保するとともに,社会的・法的地位を確立しなければならない。ということをシンポジストが討論していました。プロフェッションという自覚を持ち,日々の研究・臨床活動に励み,日本社会が求めていることを成果として出していければと思いました。
修了生  菊川市立総合病院  田中 俊輔


[神戸での経験を励みに]
看板の前で(山下)
私も学術大会に参加させて頂き,「睡眠時の体動と嚥下の関係性について」という題目で発表して参りました。

大勢の聴衆を前に緊張しましたが,会場内から,質問や意見をいくつか頂くことができました。この経験を励みに,今後も頑張っていきたいと思います。今回,発表の機会を与えて頂いた大城先生をはじめ,共同演者の方々,測定にご協力して頂いた方々,測定場所を提供して頂いた遠州病院の関係者に,この場を借りて感謝申し上げます。
M2   山下 浩史


会場



2012年5月24日木曜日

修了生の声・特別編 [バトン] (儀間)

今回は,郡山健康科学専門学校の儀間裕貴先生にご寄稿いただきました。

理学療法開発学blogをご覧の皆さま,はじめまして。郡山健康科学専門学校の儀間と申します。前回の重森さんから“バトン”を受け,記事を投稿させていただきます。
学会発表
私は「新生児・乳児における自発運動および行動の客観的評価に関する研究」をテーマに,今年の3月に信州大学大学院総合工学系研究科で博士号(学術)を取得しました。博士後期課程に取り組むにあたり,理学療法開発学の大城教授には研究デザインからデータ解析手法,学会発表,論文作成まで本当に多くのご指導とご鞭撻を賜りました。また,理学療法開発学のメンバーの皆さまとは,多くの有意義な情報交換を行わせていただきました。この場をおかりして,深く御礼を申し上げます。現在は,脳障害を有するお子様の加速度データ集積に取り組んでおり,これを大学院課程で得た正常発達児における知見と比較することで,発達障害リスクの早期発見と発達障害児への早期介入へとつなげていきたいと考えております。
下肢自発運動の計測風景
学位授与式
前回の記事にて,重森さんが博士号の取得を“スタートライン”であると表現しています。正にその通りだと思います。博士号を取得したということは,何かを成しえたわけではなく,ひとりの研究者としての責任を背負ったということだと感じています。その責任とは,これまで積み上げられてきた知見に新しい知見を少しでも多く上積みし,次へとつないでいくことだと思います。そういった意味で研究活動は“リレー競技”であり,博士号の取得は“バトン”の受け取りであると表現できると思います。受け取ったバトンは,自分の手の中で色や形を変え,オリジナルのものとなっていきます。そのバトンを次の走者に渡すまでが研究活動であり,それが研究者としての役割だと思います。とは言っても,まだまだそんなに先のことを考える余裕が私にあるわけもなく,当然,渡せるようなバトンもまだ持ち合わせていません。今はただがむしゃらに走って,オリジナルのバトンを創りたいですね。この競技はきっと“ゴールのない400mハードルリレー”みたいなものです。私の場合,そんなにスピードも出せず,転んでばかりだと思いますが,バトンを落とさずに,周りの景色を楽しみながら走れるような心の余裕だけは持ちたいと思っています。走ることが社会貢献につながるのであれば,こんなに嬉しくて,こんなにやりがいを感じる仕事はないと思います。しっかりと走っていきたいですね。多くの仲間と。
 郡山健康科学専門学校 儀間裕貴

2012年5月16日水曜日

修了生の声 [スタートライン] (重森)


修了生の近況をお知らせします。
まずは,2010年度に博士後期課程を修了した重森健太さんです。

博士後期課程1期生の重森です。博士号を取得してから,はや1年以上が経過しました。現在は大阪府柏原市にある関西福祉科学大学で勤務しています。

大学院での研究テーマは「認知症の早期評価を目的としたMini-Mental State Examination(MMSE)の臨床活用に関する研究」でした。現在は,大学院で分析した認知症検査MMSEを軸にして,認知症者へのアプローチおよび認知症者の介護家族への勉強会,脳トレ塾を展開しています。大学院で提言した内容は,認知症者の家族から専門職まで幅広い層の方々から支持される価値有るものであり,確実に社会に貢献できていることを実感しています。そこで,近況報告も含めて,大学院終了後に展開している私の活動の一部を紹介させて頂きます。

1. 脳トレ塾
大学院で提言した内容をもとに,兵庫県たつの市をフィールドとして,脳トレ塾を開催しています。新しい脳トレーニングの考え方を活動から提言し,地域活動を通して認知症者を支えるための基盤を作っていきます。
「すこやか脳トレ塾」

2. ノルディックウォーキング教室
今後,有酸素運動は認知症予防における,中心的なトレーニングとして位置づけられます。私は,ノルディックウォーキングをその活動の一つにしたいと考え,少しずつ活動を展開し初めています。

ノルディックウォーキング教室
3. 介護家族支援
兵庫県たつの市にある「つどい場アンダンテ」にて,認知症者の介護家族を対象に勉強会を開催しています。認知症の原因や発生メカニズム,症状への対処方法やアプローチなどを介護家族が知ることで,介護負担感が軽減し,適切なケアにもつながるのではないかという思いで活動しています。

知ろう・学ぼう会
他にも施設との連携,市や他団体との協力体制なども少しずつ進めることができています。博士後期課程を経て思うことは,博士号を取得して初めてスタートラインに立つことができるということです。歩みを止めず,これからも社会に還元していきたいと思います。

重森 健太 (2011年3月 博士後期課程修了)


2012年5月7日月曜日

中国重慶の第三軍医大学と附属病院を訪問しました


5月の連休中に中国重慶の第三軍医大学と附属病院を訪問しました。

"The International Symposium of Burn Rehabilitation & Wound Healing"に出席して,小児リハビリテーションの招待講演と,新生児行動評価のセミナーを行ってきました。

中国は現在,リハビリテーション医学の分野でも大きな発展を遂げています。今後,当大学と大学との共同研究や臨床協力を進めていく予定です。今後の大きな展開が期待されます。(大城 昌平)

第三軍医大学附属 大坪病院にて